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おどりば

ロースペックうつ病患者のブログ。寛解をめざして!

おどりば

参院選でうっかり無効票をぶち込んだ話。

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「ちゃんと選挙に行った、今はそれが大事よ」

母親が下がりっぱなしの私の肩をポンポンを叩いてそう言ってくれた。

そう、選挙に行った。選挙にはちゃんと行ったのだ。
たとえ投票したい人に投票できなかったとしても。

 

 

参院選でうっかり無効票をぶち込んだ話

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私は緊張しいである。極めて本番に弱い。
大学入試センター試験で数学IAと数学Iを間違えて解いてしまい、テスト終了後になってやっと気付くくらい、弱い。ちなみに結果は11点だった(100点満点)。

本番までの努力は惜しまないが、その努力の全てが本番でやらかすうっかりミスの所為で泡沫に帰す。そんな苦い経験をこれまでに何度も味わってきた。

緊張下に置かれると、私の瞬間判断力は覚醒する。
咄嗟に提示された二択だったら確実に間違った方を選ぶ。複数の選択肢があれば、正解以外を選ぶ。
その判断を吟味する余裕があれば、自分が選んだものこそが間違いだ、という思考を巡らすこともできようが、焦りを伴った瞬間の判断は即座に私の行動に表れる。
そこで「おいちょっと待てよ」と口を出してくれる人は、私の中にはいない。

要するに、私はいとも簡単にテンパってしまうのだ。

 

選挙に行ってきた。参議院選挙だ。

生まれてから約30年経った。選挙権を得てからは10年だ。寝たきりに近い生活を送る無職のうつ病人だが、できる限り選挙には参加するように心がけてきた。
とはいえ、せいぜい「参加することに意義がある」程度の立ち位置だった。
言い方は悪いが「なんとなく」で候補者を選び、投票していた。意識低い系有権者だった。

いろいろな政策を見て回り、立候補者個人について調べ、この人に投票したい!と思ったのは、今回が初めてだ。

初めて、本気で選挙に取り組んだと思う。
今回の私は意識高い有権者だ。今までの私とはちょっと違うのだ。

ちょっと変わった自分を少し誇らしく思いながら、私は選んだ候補者の名前を繰り返し繰り返し確認しながら母親とともに投票所に向かった。

私は人の名前を覚えるのが致命的に苦手だ。間違えた名前を書いて無効票にされてしまってはかなわない。今回の私は意識高い有権者なのだ。堂々と応援したい人に一票を投じるのだ。

そして、投票所。

選挙区の投票用紙を受け取った私の頭にあったのは、間違った名前を書いてはいけないということだけだった。投票したい候補者の名前を念仏のように唱える自分の声が頭の中で鳴り響いていた。

意識が高くなり過ぎた私は緊張していた。
投票用紙の記入机に置いてある候補者リストを見て、何故自分の投票したい候補者の名前が書いていないのかと不満に思った。一生懸命名前を覚えてきたけれど、それでも自信がないから、本当に間違っていないか最終確認がしたかったのに、と思った。

ここで私の瞬間判断力は「覚醒」した。
「この記入机の候補者リストに候補者全員の名前が書いていないなんて、選挙区外の名前を書けることを知らない人にとっては意地悪だな」という判断を下したのだ。

念のためもう一度言っておく。
私が受け取ったのは「選挙区の投票用紙」だ。「比例代表の投票用紙」ではない。

選挙区の投票用紙は、選挙区内の候補者の名前を書くためのものだ。選挙区外の候補者の名前を書いてはいけない。(※この辺の知識が私に無かったわけではない)

私が何を書いたか、もうおわかりだろう。
頭の中で念仏のように鳴り響いていた名前を投票用紙に記入したのだ。漢字に自信が無いという理由で、ご丁寧にフリガナまでつけて書いた。
そしてその候補者は私の選挙区内の人物ではない。

無効票の完成である。

 

自分の失敗に気付いたのは、比例代表の投票用紙記入机に立った時だった。
そこには、全国の候補者全員の名前が書いてあった。

ああ、考えに考えに考えて、私は無効票を投じたのだ。
全身の血液が下に向かって流れた気がした。実際にめまいがした。

そして再び私の判断力が覚醒して叫ぶ。
「さっき入れられなかった分をフォローしなければならない!」と。

比例代表の投票用紙に、私は政党名を書いた。
しかしそれは、私が考え抜いて決めた候補の所属する政党ではない。選挙区で投票しようと思っていた人物の所属する政党だ。

 

投票を終えて、私はしばらく呆然としていた。
あれだけ調べて、考えておきながら、何故私はその候補者の利益となる票を一票も投じなかったのだろうか、と。

センター試験の悪夢の再来である。努力を無駄にするのはなんて簡単なんだろう!

 

 

一票が軽くて良かった。

意識高い有権者でありながら無効票を投票箱にぶち込んだ私は、一票の軽さに心底感謝した。
投票に行かない人達は、「一票くらいじゃ何も変わらないじゃないか」と言い訳するが、もし自分の一票で何かが変わってしまうような世の中だったなら、テンパって意味不明の投票をした自分は腹を切りたい心持ちになっていただろう。

どうかどうかどうか、私のミスを他の人たちの票が帳消しにしてくれますように。

 

かくして私は今、真っ白に燃え尽きている。