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おどりば

ロースペックうつ病患者のブログ。寛解をめざして!

イフェクサーの話。抗うつ薬の副作用で食欲不振になったよ。

うつ病 うつ病-治療

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こんにちわ、サユです。
先週、私は一週間にわたってブログの更新ができない状態になりました。

原因は異常なまでの食欲不振。人間、食わないと元気出ないんだな~というのを身をもって実感しておりました。

そして、食欲に異変が現れた時期と、薬の処方の変化を突き合わせて考えた結果、どうやらイフェクサーという薬を増やした辺りからおかしくなってきたらしい。というわけで、早速イフェクサーを半量に減らしてみたところ……食欲、戻りました。もりもり食べるぞー!っていう感じではありませんが、一日3食食べられるようになりました。普通って素晴らしい。

イフェクサー!諸悪の根源は貴様かっ!!

いやいや、イフェクサー自体は良い薬なんですけどね。

せっかく酷い目に遭ったので(?)イフェクサーについて紹介しつつ、私の身に起こったことのお話をしたいと思います。

 

 

イフェクサーってこんな薬です。

イフェクサー(一般名:ベンラファキシン)は、2015年に国内での使用が可能になったばかりのSNRIです。しかし、新薬というワケではありません。20年以上の歴史を持つ、海外では代表的な抗うつ薬です。

何故最近までこれが日本では使えなかったのかというと、臨床試験で「日本人に十分な抗うつ効果がある」ということが実証できず、一度日本での発売を断念しているというエピソードがあるからです。今回、改めて臨床試験が行われ、日本人にも十分な効果があるということが認められたため、ようやくの発売となった次第。

現在、イフェクサーの適応疾患はうつ病うつ状態のみです。しかし、海外では不安障害やパニック障害に対しても処方されていますし、外傷後ストレス障害(PTSD)、月経前不快気分障害PMDD)、注意欠陥多動性障害ADHD)、強迫性障害(OCD)への効果も報告されています。今後、日本でもイフェクサーの適応疾患が広がる可能性は大きいでしょう。

日本でこれまで使われてこなかった分、今後に期待出来る薬なのです。

イフェクサーの詳細については、こちらのページがわかりやすく説明してあるのでオススメです。

イフェクサーの効果と特徴【医師が教える抗うつ剤の全て】

 

 

 

SNRIってなんのこと?

イフェクサーはSNRIという種類の抗うつ薬です。

SNRIとはセロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬」の略で、簡単に「セロトニンノルアドレナリンを増やす薬だよ!」と説明されることが多いのですが、それはちょっと正確ではありません。抗うつ薬を飲んだからといって突然セロトニンやらノルアドレナリンやらがドパーッと分泌されるようになるわけではありません。

セロトニンノルアドレナリンといった「神経伝達物質」は、神経細胞神経細胞の間にある隙間・シナプス間隙と呼ばれる場所で隣の神経細胞に信号を伝える仕事をします。いわばメッセンジャーです。

しかし、神経伝達物質の量が少なく、濃度が十分でないと、情報をしっかり伝えることができません。

セロトニンといえば、精神・身体のバランス調整のための情報を担当する神経伝達物質です。うつ病人の頭の中ではこのセロトニンが不足して、結果として精神や身体に不調が発生していると言われています。

シナプス間隙のセロトニンの濃度をなんとかして増やしてやろう!」っていうのが、抗うつ薬の基本方針です。

 

じゃあそのためにどうするか。

シナプス間隙に分泌されたセロトニンは、情報伝達が終わると回収されます。神経伝達物質は、シナプス間隙に存在する限り情報伝達という自分の任務を果たそうとするので、仕事が終わったら回収して黙らせる必要があるんです。ちゃんと回収するためのシステムが用意されています。

でも、うつ病人のセロトニンは少ない。一回の分泌量が少ない。

だったら、この回収システムを邪魔して、一度分泌したセロトニンを長時間働かせればどうだろう。
回収を邪魔することによってセロトニンシナプス間隙に留まらせることができれば、セロトニンの濃度が上がるじゃないか!

 

かなり簡略化しましたが、これが抗うつ薬の発想です。回収を邪魔する薬、すなわち再取り込み阻害薬、というワケ。

SNRIの場合、名前からわかるように、セロトニンだけでなくノルアドレナリンの再取り込みも阻害します。「やる気を起こす」担当のノルアドレナリンにもたくさん働いてもらって、なんとかしてうつ病人にやる気を出してもらおうって寸法だ。

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私とイフェクサーの相性は悪くなかったんだ。

私はもう随分と長い間SNRIのお世話になっています。

日本で使えるSNRIは全部で3種類で、イフェクサーの他にはサインバルタトレドミンがありますが、トレドミン抗うつ薬としては効果弱め。私はずっとサインバルタを飲んでいたのだけれど、病状改善は頭打ちといった感じでした。

そこで、認可が下りたということで、より効果が期待できると言われているイフェクサーにレッツ変更。新しく使える薬が出るとこまめに提案してくれる主治医には感謝しています。

すると、すごく良くなる感じではないけど、少し改善して、ブログを始められるレベルになりました。それまで半年近くただの寝たきりだったんだから、これは大きな前進です。

それで、イフェクサーを増やしたんです。4月の頭から、75mgのカプセルを2つ飲んでいました。副作用として吐き気や頭痛などがありえると言われましたが、特にそれらしい体調の変化はありませんでした。

だから油断してました。いつの間にか食べ物が美味しいと感じなくなっていることに疑問を持たなかった。これまで15年もうつ病人やってますから、この程度の異変は、ちょっと体調が悪いのかな〜?程度にしか思わなかったんです。

その結果、150mg服用し始めて二ヶ月経った頃、私は食欲をすっかり失いました。

 

 

イフェクサーが犯人だとわかるまで。

食欲が無い、というのは、お腹が減らない、というのとは違います。空腹ではある、しかし食べたいと思わない、って感じなんです。

朝食・もやしのおひたし、昼食・グレープフルーツ、夕食・親子丼の具だけなんとか飲み込む、とかいう食生活が数日続きました。飢えと食欲が連動しないという経験は生まれて始めてでした。

エネルギーが入らないから体はさらに重くなるし、横になっている時間は増えたのに体重はどんどん減っていくし。ブログを続ける元気まで無くなった。流石に焦ったし、食べ物を見ても何も感じないけど腹は減った(切実)

これは看過できんと、真剣に原因について考えました。

最初は、6月から本格的に始めた栄養療法の影響かと思いました。大量にサプリを飲んでいるから、胃に負担がかかっているんじゃないか、って。けれど、食欲の異変に注目すれば、栄養療法を始める前から思い当たる異常はあったんだから、どうもサプリとは関係が無さそうだ。

そこでお薬手帳をさかのぼって初めて、どうやらイフェクサーが怪しいぞ!という結論に辿り着いたんです。いやー、お薬手帳って大事。

早速主治医に連絡を取ると「稀にそういう副作用に陥る人がいる」とのこと!

イフェクサーを75mg一錠に減らしました。そうしたらその翌日、久しぶりに食事らしい夕食を食べることができました。さらに翌日には、昼と晩の2食をしっかり食べられました。何より、空腹と食欲が連動する感覚を思い出しました。

ここまで変わればもう疑いようがないよね。やっぱりイフェクサーが犯人だった!!

 

ちなみに、イフェクサーで起こりうる副作用を全て列挙しようとすると、ブログが大変なことになるので、こちらのページをご参照お願いいたします。

www.interq.or.jp

 

 

食べられないと治療もできないよ!

食べられないというのは本当に恐ろしい経験でした。日に日に減っていく体重を見ても、ダイエットできたぜやったー!とは思えませんでした。

それほど切羽詰まったわけではない、けれど、恵まれた環境の中で餓死する自分を想像してしまいました。想像で背筋が寒くなりました。きっと、生物としての基本的な機能が壊れてしまうことに対しての本能的な恐怖だったんだろうなぁ。

せっかく栄養療法を始めたっていうのに、まともに食べられないと困るんです。栄養療法はサプリだけでなく、食事からもちゃんと栄養を摂ってはじめて成り立つものですからね。

セロトニンが十分に分泌されないのがうつ病で、セロトニンの渋滞を起こすことによってなんとか不足を補おうとするのが抗うつ薬なら、セロトニンの材料を十分に供給してセロトニンの不足を根本的に解消しようというのが栄養療法です。

私は長い間薬による治療を受けてきましたが、健康な体にはまだほど遠いです。薬の治療と栄養療法のどちらか片方だけを選べと迫られたら、栄養療法を取るだろうなぁ。

でも、薬を減らしたいとは思えど、全部やめるつもりはありません。今の状態まで体調を底上げしてくれているのは間違いなく薬の力です。今、薬を捨てたら、おそらく栄養療法に挑戦する気力も食欲も無くなってしまいます。

栄養療法の考えに傾倒したからといってそれは薬をやめる理由にはならないし、薬物療法を否定する理由にもならないと思っています。

そもそもセロトニンが増えりゃうつ病が治るよ!なんていう簡単な話でもないんだから、どんな治療法だって一長一短でしょうよ。

 

 

薬を侮るべからず。

うつ病の治療において薬は欠かせないもので、しばしばその副作用とも付き合わなければなりません。

だからこそ、何か体調に変化があったらこまめに記録しておいたほうが良いです。その時は大したことなくても、後から振り返ると「そういえばあの時からおかしかった」と気付けることがあるかもしれないですから。

薬って、飲み慣れると感覚が麻痺しがちです。実際私も意識が非常に低かったので反省しているのですが、抗うつ薬はデリケートな脳の神経に働きかけるヤツなんだってことを忘れちゃいけないんですよね。

異物を取り込んでいるんだから、自分の体調には注意を払いましょう!

今回、私は食欲不振の犯人がイフェクサーであることを早々に突き止めることができました。おかげでブログも一週間程度で更新を再開することができて、とりあえず一安心。

薬の怖さを切実に感じた、2016年の梅雨時の出来事でした。